SGA(Small‐for‐Gestational Age)性低身長症は平均的な成長曲線よりも極端に身長が低い症状がでる低身長症の1つとして広く知られています。
日本語にそのまま訳すると「妊娠期間中の子供が小さい」という意味になるSmall‐for‐Gestational Ageはその名前の通り同じ日数だけお母さんのお腹で成長したのにもかかわらず一般的な赤ちゃんの身長・体重よりも出生児の身長・体重がその赤ちゃんでは小さいことを意味します。
在胎週数がお母さんのお腹の中にいる期間のことを意味し、この在胎週数に応じて標準的な身長・体重の値が決められています。SGAとは同じ在胎週数の赤ちゃんの標準的な身長・体重よりも小さい場合に当てはまります。言い換えると出生時点での大きさが小さいことがSGA性低身長症の原因と言えます。
たとえ出生児にSGAであったとしても、3歳までには9割の子供たちが標準値に追いつきます。となると、3歳になってもなお身長・体重が標準値よりも大幅に小さい場合にはお子さんのSGA性低身長症を疑ったほうが良いかもしれません。3歳の時点でSGA性低身長症であるならば、そのまま成長を続けても小学生〜成人のいずれにおいても標準的な身長・体重よりも小さいままである可能性が示唆されます。
お子さんのSGA性低身長症を疑った時にはまずは簡単な自己チェックをしてはどうでしょうか。母子手帳にはあらかじめ標準的な成長グラフ(月齢・年齢に応じた身長・体重の変化を記録していくグラフ)が記載されています。ここにご自分のお子さんの値を記録することとで標準値との比較が可能となります。標準値からどれだけ離れているかを示しているのが標準偏差(SD)であり、標準よりも-2SD以上にお子さんが小さいようであれば、SGA性低身長症の可能性が考えられますので、病院で診療を受けたほうが良いかもしれません。
実際に病院でもこのような診断を受けた場合には成長ホルモンを投与することになります。このホルモン投与の効果は一朝一夕に出るものではありませんので、継続的な治療が必要となります。となると親御さんとしては心配になることの一つが経済的な負担ではないでしょうか。しかし、安心していただきたいのはSGA性低身長症の治療費は健康保険の対象ですし、その他にも経済的な支援をする仕組みがあります。一度、自治体・病院の窓口に相談することをおすすめします。